ヒデキを見た翌年、私は美大を目指して東京代々木の予備校にいました。当時でも絵画で生活していくのは難しいだろうと思い、美術に関する事なら何でもOKという安易な気持ちで デザイン科を専攻したのですが、2ヶ月位経った頃、印象派のモネの大回顧展を観て、やっぱり油絵!! すぐに油絵科に移りました。そして、そこで宮下実先生に出逢いました。
宮下先生は東京藝術大学院修了後、助手を務める傍ら予備校にも講師として来られていました。いつも一人ひとりの絵やデッサンの批評が的確で、心のうちを見透かされているように感じていました。「宮下語録」も色々あって、多感な時に出逢った人は影響力大ですね。その一つに「若いうちに親をだましてでも良いから外国へ行け」があります。ご自身も何度も渡航されていて、その素晴らしさを語っておられました。
美術雑誌の付録に原寸大「参考デッサン」があり、高校生の頃好きなデッサンを部屋に貼って毎日眺めていたのですが、
その作者が宮下先生だったことは、後になって知りました。”必然的な出逢い”ってあるのかな!?と思いました。